山の辺書房 自分史書き方ガイド 連載12回目
連載第12回
分かり易い文章のヒミツ
『復刻版つづき』
●文章とは、簡単にいうと、「はじまり」と「うけ」から成り立っている。「はじまり」とは書き出しのこと。たとえば、
① 私の育った村では……………………………………
……………………………………………………………
……………………………………………………………
……………② という昔からのしきたりがあった。
と書いた場合、
① がこの文の「はじまり」であり、
② が「うけ」となる。
また、点線部分が(しきたり)の内容だ。
●このように、「はじまり」で投げた文章のボールを、中間の説明部分を経て、最後に確実にキャッチ「うけ」とめる。
(……である。)
(……ということです。)
(…であった。)などが「うけ」のキャッチャーミットの役目だ。
句読点の句点(。)でしっかり「うけ」止める。
●このことをいつも頭に置いて文章を書くと実に立派な文章、間違いのない文章、分かり易い文章になる。ところが、多くの場合、「はじまり」はいいのだが、内容説明をしているうちに勢い余って、ついつい「うけ」のことを忘れてしまう。色々な接続を重ねて、まわりまわって、自分でも書いていることの意味が分からなくなったところで思いだしたように「うけ」を書くものだから、何とも変てこな文章になってしまう。「はじまり」→説明部分→「うけ」――この関係をしっかり心に刻み付けていただく。
●…よそゆきの言葉は使わない。官庁の文章ではないので、むりに標準語を書く必要はない。反対に、方言などは、よほど分り難い場合を除いて、ふんだんに使ったほうが文章に味があり、温かみがでるものだ。わたしの著作「ど根性」では方言を多く取り入れ巻末に「方言解説」を付した。
●…私は、初めて原稿を書く方に、
「とに角、あまり難しく考えず、自由に、気楽に、楽しみながら、日記でも書くつもりで書いてみてください」と言っている。それを見せていただいて、必要があれば承諾のうえ編集者が「現代表記法」にもとづいて手を加え、立派な文章にするためのお手伝いをさせていただく…。この方法で40年近くやってきた。
●とかく初めて文章を、それも手紙とか日記じゃなく書籍「自分史」を書いてAmazonサイトで全世界に発信するというプレッシャーから【完璧】を目指す傾向がある。これが書くための大きな障害となっているようだ。これが曲者だ。特に神経質な人、完璧主義者に多くみられる。
そこで〝曲者退治〟といきましょうか……。まず大前提としてこの惑星地球上に生息するいきもの全てに、或いは幾多の事象に【完璧】という概念は存在しないことを心の奥にデーンと据えておくこと。つまり人生とは【不完全の連続で、完成への道程】であるということ。結論として「不完全な原稿を自分の思うとおりに書きまくる」ことに徹することだ。このことについて考察を重ねるとphilosophy(哲学概論)の領域に入ってしまうので止めます。
●…絵や俳句、川柳、毛筆の書、写真、イラスト等を必要に応じところどころに入れるとストーリーに動きがでて、すばらしい仕上りになる。
※但し、著作権や肖像権などの使用には法律に抵触しないよう細心の注意すること。
考えることの連鎖
●書くということは頭脳ゲームのようなもので、あらゆる角度からものを観察して、細部まで物事を考える訓練になる。従って、脳細胞に血液と酸素がふんだんに供給される。知らず知らずに目が輝いてくる。調べものをする機会も増えるので必然的に視野が広くなる。昔から「頭を使うと、老いを知らず」という。つまり、老化防止の特効薬でもある。
★友人の脳外科医・精神カウンセラーから聞いた話
――「人間の脳は、超優秀な総合指令センター」だという。
どういうことかというと、〝ああオレは還暦だ〟と思うことで体の全細胞が、
「オィ皆の者、大将が還暦だとョ、早く還暦の準備しようぜ」となる。
反対に、何か目的をもって能動的に挑戦を始めると、これまた細胞軍団が、
「おい、指令部からとんでもない指令が来たぞ! 大将のやつ、これからすごいことにトライするンだってョ。さっそく準備にかからねば」
ということで血流改善・脳伝達物質増加・新たな神経系統構築と大忙しになるそうだ。
●往時から目的あるもの老いを知らずという。これが現在医学で証明されたようだ。
人生100歳時代到来だ。そこには老いなどというものは存在しない。あるのは――再び青春時代へ!
一度きりの人生、生涯の記念碑をつくって思いっきり輝きたいもの。
●だからといって闇雲にネット上で踊っている「激安自分史広告」などにアタックするのは危険がある。勿論優良会社も存在するが、そうでないのもある。このことは国民生活センターの統計からも推測できる。くどいようだが次に当編集室が発行しているチラシを掲げておきます。
●チラシ
つづく
山の辺書房2
★山の辺書房自分史編集室発行Amazon電子書籍代表作の一部紹介
- ど根性: 昭和繁盛記 (実話物語)
- 山の辺書房
- 2019-01-19
- Kindle本
- 改訂版 平成の大洪水: 未曾有の水害で生まれ故郷を無くした被災者の赤裸々な手記
- 山の辺書房自分史編集室
- 2019-08-30
- Kindle本
- 癒しの山 大台ヶ原 : 開山行者の生涯
- 山の辺書房
- 2018-09-24
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- 大台ヶ原 妖怪伝説
- 山の辺書房
- 2018-03-04
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- 改訂版 膀胱がん闘病記: 人生ポジティブに生きよう
- 山の辺書房
- 2019-08-25
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- 熊野の里山今昔噺: 紀州一揆 慶長一揆 その後
- 2019-08-11
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- 悪魔の手引き: 短編小説
- 山の辺書房
- 2019-07-26
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- まだ人間だった頃の脚本: シナリオの原点
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- 2019-06-14
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- いやされる別世界: 里山は人生のオアシス
- 山の辺書房
- 2019-09-19
- Kindle本
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