自分史、電子書籍、素人さんへの警告チラシ

自分史書き方何でも相談と電子書籍出版及び警告チラシ

山の辺書房 自分史書き方ガイド 第5回

連載第5回  
過去の思い出を訪ねる時脳細胞が活性化される

●自伝・自費出版のジャンルは著者の自己満足という領域が大きいと言える。それでも、何かを書くという行為は、今流行りの脳の活性化に効果的であると脳科学者が言う。
――考え、イメージし、心静かに往時を回顧する。これほど人生を歩むうえで有意義なことはない。


●そこで、もうひと押し! 折角苦労して書き上げた作品を一人でも多く読んでもらうにはどうすれば良いか。なぜ読んでもらえない……本を手にした人たちが多忙なのか、或いは、読むことが好きでないのか。なぜ興味を示してくれないのか。


●答えは……ズバリ面白くないからだ。更にもう一つ……時代の変遷ということもあるのではないかと考える。現在は超情報化現象の渦中だ。指先だけでいとも簡単にあらゆる情報を受けることができる。一昔前は夢物語だったことが、もの凄いスピードで実現する。「あぁスゴイ、便利だ、これは楽だ!」のみならず、これらの文明の利器には刹那的なる面白さも加味されている。いきおい、老若男女、さらには子供までもが当然のこととしてこれらを受け入れている。ある種の洗脳現象かもしれない。この積み重ねで本来の人間脳力が減衰してしまう。
――これは大変なことなのだが殆どの人は気付いていない。誠に残念だ。


●読書家は勿論だが、そうでない人でも一応は心得ていた筈の「行間を読む」という意識。この言葉さえ既に死語になりつつある。このことが各々の人生にとって良いのか悪いのか判らないが現在とはそういう時代なのだ。こんな状況下で、先に掲げたような従来の書き方、本づくりでは通用しない。


●じゃ、どうすれば読んでもらえるか? 本冊子冒頭第一章「ど根性」の書出し部分を思いだして欲しい。これはテレビ又は映画のトップシーンのイメージだ。本物の映像ではないが、文字で描いた文章描画ということになる。(この「文章描画」なる言葉はわたしの造語)わたしは約二十年前、この書き方で自著、実話物語を児童文学として書き上げた。出版後の結果はどうであったか?


●第一声は「一気に読んだ」という声。その後、この方法で今日までやってきた。結果は良好。そんな中、古い書き方に固執している或文士から、
「これは単なる演劇のシナリオ台本にすぎない」と酷評された。
 正に彼のいうとおり、わたしの「文章描画法」はシナリオ・台本的である。しかし、それがこちらの狙いなのだ。シンプルで適切なト書(説明文)とセリフ(会話)……この二つで成り立っているシナリオ。映画監督はこれをもとに絵コンテを描く。この文章描画がしっかりしていれば、自ずとイメージがわいてくる。わたしの狙いはこれなのだ。


●読書をするということは行間を読むことで、その醍醐味は、読者が自分流のイメージを思い描くことだと考える。同時に、このイメージが鮮明になれば物語の世界に没頭することになる。

――イメージの世界に入り込むと、物語の展開に興味を持ち、次々と魅力的な、或いは刺激的な香りに誘われ、物語の奥深くへ歩を進めて行く。そして、我に返った時、このイメージたっぷりの物語の森を通り抜けている自分に気づく。これが、わたしが目指した「一気読み」だ。


●確かに、かの文士の指摘通り、自伝とは概ね私小説的である。否、そうあるべきなのだ。そう考えると、わたしのやりかたは異質だ。もっと突き詰めればおよそ文学書らしからぬ作品ということになる。このことは十分承知だ。承知のうえでこの書き方をしている。――何故か?それは、個人の自伝でも「本気で見てもらえる・読んでもらえる」からだ。


●とりわけ自伝(自分史)の類は、それを書いた著者の生きざまを一人でも多くの人に読んでもらうことが最大の目標だ。ここでは、これは私小説だとか、文学的にどうかなど問題じゃない。自著「ど根性」の場合、「元気が出た」「生きる勇気をもらった」等々読者の意識向上に大きな影響を与えたことが、読後感想の便りを読んでみて確認された。
●わたしは、これが自伝の王道だと確信している。
●さてここで、「文章描画法」についてもう少し詳しく書いてみる。
つづく
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お便りを拝見して
★今回の「書き方ガイド質問コーナー」に多くの便りを頂きました。その中で一番多かったのが文章作法でなく【出版に対する不安・広告に出ている自分史募集について】です。拝読して感じた事は「激安出版」などの広告に疑念を抱いているご様子。一度連絡すれば知らぬ間に多額の費用を請求されるのでは? というものでした。確かに一理ありですね。そこで、ご参考までに、自分史・自費出版の現状チラシを掲げておきます。(これは、橿原商工会議所から当該地区全会員に配布したものです。)ご精読頂ければ幸甚です。


■チラシ表↓

★国民生活センターデータ
(国民生活センター広報一部抜粋) [2007年11月9日:公表]
自費出版に関する相談が増加(前年の2倍)
-作品をほめられても、安易に契約しない―
 自分の書いた詩や小説、自分で撮影した写真などを本にまとめたいという人が自分で費用を負担して本を出版する自費出版に関する相談が増加している。
 自費出版に関する相談は「自分の作品をほめられて気持ちが高揚して契約をしたが、あとから考え直して解約をしたい」「出版の契約がきちんと履行されない」などがある。自分の作品を出版することに興味を持っている消費者が、事業者の主催するコンテストに応募したり、広告を見て問合せをするなど、消費者のアクセスが契約のきっかけとなっているケースが多いが、事業者が作品をほめて、消費者の気分を高揚させて勧誘している場合も少なくない。消費者は、出版に関する知識が必ずしも十分ではないため、契約するにあたっては注意が必要である。
★国民生活センターHPより抜萃、以上★
―編集室より――――――――――


●以前にも書いたが、或るご婦人が来て「出版社の言いなりに自費出版したが出版した本が全部(150万相当)が全く売れなかったと言う理由で返本された。何とかならないでしょうか?」と泣きついてきた。――こんな事例が複数回ありました。――私は「破棄する以外どうすることも出来ません。…残念ですが」とお答えした。
●このケースでは出版契約書の類いはゼロ。口約束の甘言のみだった。つまり『夢を買った』だけ。国民生活センターの統計ではこの傾向が年々増加しているという。中でもご婦人方が多いとグラフが示している。
●私のホームページでもこの件について掲げているが、漫画全盛・ゲーム蔓延の現在、プロ作家でも返本が出る。余程のことが無い限り自伝の類いは誰も読まない。――時代が変わってしまったのだ。
●それでも、「何とかして自伝を書きたい人」が居る。編集室としてありがたいことで、「書き方ガイド」ブログを発信し続けている。――安全安心の本作りを実現するめ。
●当編集室は必要経費のみで40年間やってきました。自分史全盛時と違い現在は【電子書籍出版】が主流となっている。これは自分史制作出版者に福音だ。何故なら、出版するか否かを著者自身で決めることが出来るからだ。 



●当編集室のコンセプトは【人生の喜怒哀楽を共有】することです。そのために安全安心の体験発表プラットフォーム構築を最優先しています。


――これは、電子書籍出版だから出来る事で、著者は第一段階としてAmazonKindle出版して読者反応をみること。そこで読者が付けば正式に紙本印刷すれば良いのです。読者不在の書籍は意味がありません。



山の辺書房自分史編集室ホームページ

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